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五条ダンのブログ。「楽しく書く」ための実践的方法論を研究する。

Chordana Composerで自動作曲した曲をCeVIOに歌わせてみた話

最初に告白しておくと、僕は音楽がまったくできない。音痴だし音感もないし、学校の教室でリコーダーを吹こうものなら、クラスメイトが耳を押さえて逃げ出すレベルだった。

けれど、音楽そのものは好きだ。ニコ動に投稿されたボーカロイドのPVを眺めていると、すごく胸がキュンキュンする。いいな、僕もいつかオリジナルの歌を作って発表したいな……と憧れをずっと抱えて生きてきた。

憧れを今こそ実行に移すとき!

作りました!!(ドーン

それではお聞きください。

「原稿のうた」です。

……………………

………………

…………

……

歌詞がひどい :;(∩´﹏`∩);:

 

さておき、僕は作曲はもちろん、DTMもボーカロイドも動画編集も完全に素人で、右も左も分からない。そんな自分が生まれて初めてつくったオリジナルの音楽が「原稿のうた」である。

これをどのように作ったのか、ということを解説したい。

1.作曲に用いるソフト(Chordana Composer)

Chordana Composer (コーダナ コンポーザー)はカシオ計算機株式会社が販売するスマートフォンアプリだ。

Googleプレイストアでは500円、iTunesストアでは600円で売られている。僕はAndroidユーザーなので、前者を購入した。(若干仕様が異なるらしい)

使い方は簡単。手順は次の通り。

  1. 録音ボタンを押して5秒間、自由気ままにキーボードをぽんぽん叩くか、口笛を吹く。(ハミングも可)
  2. 自動作曲ボタンを押し、ジャンルや曲調などを選択する。あとは全自動で伴奏も含めて作曲される。
  3. WAV形式、もしくはMIDI形式でエクスポートし、Googleドライブなどにアップロードする。

何も難しい作業は一切なく、このアプリを使えば文字通りネコでも作曲ができてしまう。なお伴奏用に「ボーカル部分だけを除いてWAV形式で保存」といったことも可能で、つまりカラオケ用BGMも作れる。

(余談)自動作曲における「著作権」の行方

ここで気になるのが、自動作曲した音楽の著作権は誰に帰属するのさって話である。Chordana Composerについて述べれば、じつは公式回答が得られている。

結論、Chordana Composerで作曲してできた音楽の著作権はユーザーにある。根拠となるソースを下記に2つほど挙げておきたい。

『だからこそ、Chordana Composerが作曲した曲の著作権はユーザーにあるわけなのです。』※開発者インタビュー

(引用:魔法のアプリ、Chordana Composerが持つ作曲テクニックを探る : 藤本健の“DTMステーション”

 『Chordana Composer を使って作られた曲の著作権は作られた方に帰属致します。お客様が作られた曲としてご利用することに問題ありません。 』

※カスタマーレビューに対するカシオ計算機株式会社の回答

(引用:Chordana Composer for Android - Google Play の Android アプリ

 もちろんだからと言って、99.9%を自動作曲ツールの力を借りて作った曲をこの音楽は俺が作曲しました!!と主張するつもりはさらさら無い。

ただ、カシオが「ユーザーの作った曲として自由に使ってもらって構いませんよ」と公式で回答していることはクリエイターには心強いのではないだろうか。

ボカロに歌わせたり、同人ゲームのBGM制作に使ったりと、Chordana Composerの使用用途が広がることを意味するのだから。(それ込みで500円のアプリと考えると、安すぎるくらいだ)

2.歌声の作成に用いるソフト(CeVIO)

今回はVOCALOIDのように歌声が作れるCeVIO Creative Studio Sというソフトを使用した。

詳しくは上の公式サイトをご確認されたし。

お値段は『CeVIO さとうささら ソング&トーク スターター』が10,800円。(※2017年2月2日現在)

ベクターで買うのがおすすめで、セールをよく開催しているのと(追加キャラのソングボイス単体など)オプション商品が一番充実している。(Vector「Cevio」商品ページ

ただ、購入検討中の方は公式サイトにある無料体験版を先に試すのが得策かもしれない。

ちなみに楽天市場やAmazonでも販売されている。

(ショップによって微妙に値段が違うので気になる人は最安値を。おそらくベクターでセール中に買うのが一番安い)

実際の作業画面は下のような感じ。

画面を見るとピアノの鍵盤に棒みたいのが並んでいて、難しそうに思えるかもしれない。

でもじつは、自動作曲アプリの「Chordana Composer」で保存したMIDIファイルをこちらにインポートしているだけで、僕は何もしていない。

※インポートするときはボーカルのトラックだけを選択して読み込む。(全トラックを読み込んで再生すると、PCのスペックによってはフリーズしてしまう……)

今回、CeVIOで必要となる作業は歌詞を入力するだけである。

歌詞入力を終え、あとは音階や音の長さで気になる部分があれば微調整をして、WAV形式でボーカルをエクスポートしたら終わり。

あまりに簡単すぎて、びっくりしてしまう。

(曲に合わせて歌詞を考えるのが、強いて言えば最も難しい作業となる)

 (余談)CeVIOは商用利用できるの?

CeVIOは原則として、商用利用不可である。

が、個人や同人サークルの範囲内であれば(YouTubeやニコニコ動画に投稿して広告収入を得るなど)多少の利益を得ることは許容されている。また、申請をすれば、CDやDVDにして同人誌即売会などで売ったりもできるようで、意外と許されている利用範囲が広い。

詳しくは

を確認しておきたい。

CeVIOは歌わせるだけでなく喋らせる(ナレーション・朗読)機能も備わっており、YouTubeやニコニコ動画を見ると「ゲーム実況」の用途で本ソフトを使っている人が多い印象。

僕ももともとは文章推敲用の朗読ソフトとしてCeVIOを購入した。けれど、長文朗読だとAHS社のVOICEROID(ボイスロイド)の方が綺麗に読み上げてくれるし動作も軽い。純粋な音声読み上げソフトをお探しの方には、ボイスロイドの方を薦めたい。

3.動画編集に用いるソフト(AviUtl)

今回、動画の制作にはフリーソフトであるAviUtlを使用した。

これはちょっと最初の設定や、使い方の習得が(初心者には)難しいソフトで、僕も初心者なのでうまく使い方を説明することができない。

設定方法やソフトの使い方を解説したサイトが多数あるので、インストールの前に読んでおこう。(説明書もなしに直感的に使うのは無理なタイプのソフトです)

「Chordana Composerで自動作曲した曲をCeVIOに歌わせてみる方法」のまとめ

手順をまとめると次の通り。

  1. Chordana Composerで自動作曲し、MIDI形式で保存。ボーカルトラックを除いたバージョンもWAV形式で別途保存しておくと、あとで伴奏用に使える。
  2. CeVIOにMIDIファイルのボーカルトラックを読み込ませ、歌詞を入力。歌声をWAV形式で出力。
  3. AviUtlで、ボーカルWAVと伴奏WAVとを合わせ、動画をつくる。

以上のたった3ステップで冒頭に挙げた「原稿のうた」みたいな動画が作れてしまう。なんとも画期的なことだと思う。

作詞スキル、ボイス調整スキル、動画制作スキル等のレベル上げを頑張れば、(たとえ作曲スキルがなくとも)ボーカロイド・CeVIOのPVを作ることができる。

夢と可能性のある時代を素直に喜ぶとともに、これらの素晴らしいツールを開発してくださった方々に深く感謝したい。

そして次こそは、もっと良い音楽を作れるよう頑張りたい。

読者の皆様におかれましては、ぜひ、僕こと「五条ダン(時巻クラブ) - YouTube」のYouTubeチャンネルをフォローして、今後の音楽活動(?)を暖かい目で見守ってくださればとても喜びます。

(了)


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