Webライターとして生きる

五条ダンのブログ。「楽しく書く」ための実践的方法論を研究する。

Amazonプライムの特典は本当にメリットばかりと言えるのか?

プロブロガーはどうやら「Amazonプライムをおすすめしなければならない宿命」に取り憑かれている。嘘だと思うならAmazonプライムの体験談を検索してみよう。

ほとんどの記事は、プライム会員のメリットを長文で羅列し、ひたすら読者を勧誘するのに終始する。

せっかくブロガーとして活動しているのだから

自分の体験を語ってよ!!

と僕は思うのだが。

ちょうど明日でAmazonプライムの加入期間を終える。これを機に、実体験に基づくレビューを書いていきたく思う。

使い勝手の悪い「Kindleオーナーライブラリー」

去年の8月から12月まで「Kindle Unlimited」という電子書籍の読み放題プログラムに加入していた(月額980円)。なので、プライム特典のひとつであるKindleオーナーライブラリーを使う機会はほぼ無かった。

しかし今年に入ってから利用してみて、使い勝手の悪さに戸惑った。

プライム会員は毎月1冊、Kindleオーナーライブラリーの本を自由に読むことができる。

ところが問題なのは「Kindle端末を持っている人しか利用できない」言い換えれば、PCやスマホのKindleアプリからではオーナーライブラリーの本を読めないのだ。

ただ、僕はKindle Paperwhiteの端末を持っている。だからオーナーライブラリーは問題なく利用できる……のだけれども……。

しかし困ったことに、Kindle端末のストア検索がめちゃくちゃ使いづらい!

読み込みに時間がかかるし、ときどきフリーズして落ちてしまう。画面が小さくて、書籍の一覧を6冊ごとしか表示できない。

さらにオーナーライブラリーの対象本には、個人出版の本も大量に引っかかる。セルフパブリッシングだから質が低いとは口が裂けても言えないが、とにかく、自分の読みたい本を見つけるのが難しい。

結局、Kindleオーナーライブラリーで読む本を探すのに、ぐだぐだと1時間近く迷ってしまう。その時間があれば、最初から自分の読みたい本を購入してしまった方が、トータルでは得なのに……と我ながら後悔する。

ひとつ理解に苦しむのが「Kindle UnlimitedではPC・スマホからでも本を選べて読めるのに、なんでKindleオーナーライブラリーではできないんだ」ということ。

ここは将来的に改善されてほしい部分だ。

使うのに気が引ける「お急ぎ便」

プライム会員は、通常360円かかる「お急ぎ便」を無料で使うことができ、プライム会員であればおそらく商品購入時にデフォルトでチェックが入っていると思う。

しかしながら、お急ぎ便をはじめとする過剰サービスが配送業者を圧迫しているのは周知の事実だ。

上のような話題を見かけるたびに、心が苦しくなる。

お急ぎ便よりも「急がなくていいよ便」をオプションで用意してほしいなぁ……と思う今日この頃である。

ともあれ、プライム特典である「お急ぎ便」および「お届け日時指定便」の無料化が、利用者にとって便利なのはたしかだ。

しかしAmazonは通常配送でも十分すぎるほどに早い。それに、我が家には宅配ボックスがある。僕としては、Amazonの特別配送オプションを使おうと感じたことは、ほとんどない。

ところで先日「JA.AliExpress.com」という中国の通販サイトを利用する機会があり、頼んだ商品は中国からの国際配送で、1ヶ月近くも到着を待たされた。

だけど商品が届くのを待つ1ヶ月間は、不思議とわくわくとした気分だった。

そういえば最近は「待つ楽しみ」を実感する機会が減ったな、と思う。急ぎで必要なものでないのなら、配送はむしろ待たされた方が楽しいこともある。

待つ時間を楽しむ、心の余裕を持ちたい。

「プライムミュージック」は評価したい

良いところも書いておこう。

Amazonプライム特典の「Prime Music」は評価したい。100万曲以上の楽曲が聴き放題ということで、作業用BGMには最適である。

今となっては懐かしいNHKドキュメンタリー番組「そのとき歴史が動いた」のサントラも聴けるし、あと個人的にはアニメ「ふらいんぐうぃっち」のサウンドトラックアルバムも素晴らしかった。

他にもMegpoid GUMIのソングアルバムも良かったし、槇原敬之のアルバムもプライムで聴いて、とても懐かしかった。CDも持っているのだけれど、きょうびCDプレイヤーを使う機会もめっきり減ってしまった。そんなときこそストリーミング音楽配信である。

とはいえ、知っているアニソンの登録数は少ない。(アニソンとボカロ曲しか知らない僕もあれだが)ゆえに、ほとんどは自分の知らない曲を聴いてみるスタイルとなる。

洋楽なんかも知らない曲ばかりで、しかし聴きながら原稿執筆すると大いにはかどる。あ、カーペンターズも聴けます!

あとオカルト方面のジャンルだと「ヘミシンク」のアルバムがプライムに13件もあるのは正直驚きだった。幽体離脱を趣味とする人はお試しあれ。

個人的に、Amazonプライム特典のなかで最も満足度が高いのはPrime Musicであるといっても過言ではない

ここで話題に出すのも憚られるが「作業用BGMを聞いて作業してたよ」と言うとき、決して少なくない、というか相当に多くの人たちが、YouTubeに違法アップロードされた作業用BGMを聴いている。だがそれでは著作権違反しているアカウントに広告収益が入っても、楽曲を制作するクリエイターには一切得がない。

Amazon Prime Musicの楽曲ライセンス契約がどのようになっているかは不明だが(英語で調べても情報が出てこなかった)少なくとも音楽業界やアーティストに一銭も入らないということはないはず。

Prime Musicで素晴らしい曲に出会ったときは、どんどんダウンロード購入するなり、グッズを買うなりして支援したいもので、とにかくPrime Musicがお得かどうかは別として、音楽にはお金を支払いたい。

「プライムビデオ」はアニメもドラマも映画も観たい人におすすめ

僕はアニオタなので、実写の映画もドラマもほとんど見ない。

なので上の記事でも書いたとおり、見放題サービスはプライムビデオではなく「dアニメストア」を利用していた。過去形なのは、観たい作品をすべて観終わり、先月解約したため。

だから「アニメしか見ないよ!」という人は、プライムビデオよりもdアニメストアの方が圧倒的に登録作品数が多いので、そちらの方が満足できると思う。

ただ逆に「dアニメストアにはないのに、プライムビデオにはある」作品もいくつかあって、例えば2017年8月現在

  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • クズの本懐

の2つは、プライムビデオの方でしか視聴できない。

7月に感想記事「【感想】クズの本懐、あるいは実存不安の文学 - Webライターとして生きる」で書いたが、プライムビデオで観た『クズの本懐』がじつに良かった。じつに素晴らしかったので、これだけでプライム会費の元は十分に取れたなと感じた。

ドラマと映画は、観ていないのでわからない。

正直に言って、僕みたいにアニメオンリーの人には(作品数自体が少ない)プライムビデオはあまりおすすめできない。

しかし「映画でもドラマでもドキュメンタリーでも何でも楽しめるよ!」って人には、プライムビデオは大いに魅力があるだろうと思う。

「プライム会員限定先行セール」は本当に得かどうか疑ってかかるべし

Amazonでやっている「タイムセール」に、プライム会員であれば一般会員より30分早く参加できる。この他に「プライムデー」というプライム会員だけの大規模セールに参加できる特典なんかもある。

で、タイムセールでは通常価格から80%OFFだとか90%OFFだとか、びっくりするくらい値引きされている製品を見かけることがよくある。

そこで天才的な僕は閃いて、「待てよ……Amazonのタイムセールで商品を手に入れて、それをメルカリで転売したら儲かるのでは?」と考えた。

さっそく、Amazonタイムセールで大幅に値引きされている製品をいくつか、メルカリでも検索してみた。結果、ほとんど値引き額と同じ価格帯で売られていましたね……。(もちろんメルカリでは新品/未使用ステータスで売っている)

つまり、そういうことです。

Amazonタイムセールでの 80%OFF! 90%OFF!みたいな値引き表示に安い!!と惑わされてはダメで、必ず他の通販サイトでの相場も調べておかなくてはいけない。

もちろん、なかには本当にお買い得な商品もあるだろうけれど、なんにせよ安物買いの銭失いと言うように、二重価格に騙されないよう気をつける必要がある。

終わりに

他にも「Amazonパントリー」「Amazonファミリー」「プライムフォト」といった特典があるものの、個人的には使う必要性が感じられず、使っていない。

結局のところ、Amazonプライムへの加入を決める特典となり得るのは(特別配送オプションを頻繁に使う場合を別として)

  • プライムミュージック
  • プライムビデオ

のふたつだと考える。

この双方に魅力を感ずるのであればプライム加入して損はないだろうし、そこまで必要じゃないな……と感じた場合はおそらくプライムに加入するメリットはない。

僕としては、Amazonプライムは「年間プラン」ではなく「月間プラン」で入るのをおすすめしたい。

年間プランだと 3,900円/年で、月換算 325円となる。

対して、月間プランでは 400円/月だ。

年間プランの方が得じゃないかと思われるかもしれないが、プライムミュージックにせよプライムビデオにせよ、聴きたい(観たい)作品はそんなに数があるものでもないし、1ヶ月も聴き放題、見放題を体験すればだいたい満足してしまう。

下手に年間プランに入ってしまうと「もっとたくさん観なきゃもったいない!」と僕なんかは謎のプレッシャーを感じてしまい、かえってもったいない。

なので例えば「1月・4月・7月・10月の隔月だけプライムに加入する」みたいな隔月方式にした方が、聴き放題・見放題コンテンツを気楽に楽しめる。

じつは、僕はdアニメストアやKindle Unlimited(読み放題)にも加入していたが、この隔月方式で楽しんでいた。

1年のうちに4ヶ月間だけプライムの月間プランに加入する場合、年間費用は400円 × 4月で1,600円しかかからない。アニメも年4クールだし、新作アニメが最終話まで出揃った時点で一気見するのもなかなか良いものである。

以上、長々と書いてしまった。せっかくなので最後にアフィリエイトリンクだけ置いておきたい。

(プライム会員加入・無料体験は上記リンクからできます)

そうそう、ひとつ大切なことを言い忘れていた。Amazonプライムは30日間の無料体験ができるのだが、注意しておきたいのはオプトアウト方式なのである。

つまり30日の無料体験に登録して、そのまま何もせず30日を超過してしまうと、勝手に有料会員に加入させられてしまう。

なので有料会員に移行する気のない人は『アカウントサービス > Amazonプライム会員情報』のページから、会員資格が自動的に更新されないよう、設定しておく必要がある。

更新止めるの忘れてて知らない間に有料会員になってしまった!という場合は、Amazonカスタマーサービスに連絡すると返金してもらえる。

僕の父も「クレジットカードの明細で心当たりのない引き落としがある。ハッキングされたかも」と電話で相談してきて、何事かと思ったらAmazonの仕業だった。お試し体験のボタンを何となく押したら、知らないうちにプライム有料会員になってしまっていた……というオチだ。

以上、Amazonプライムを検討する人のお役に立てば嬉しく思う。

(了)


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