Webライターとして生きる

五条ダンのブログ。「楽しく書く」ための実践的方法論を研究する。

止まらない耳鳴りが精神に与える影響を甘く考えていた

耳鳴りに起因する自殺や殺人は、事例がいくつもある。命にかかわらないはずの症状はしかし、たしかに人の命を奪っている。

私は正直、「止まらない耳鳴り」が精神に与える影響を甘く考えていた。あらゆる病気に言えることだ。やはり自分で体験してみないと、その本質的な恐ろしさはなかなか理解できない。

耳鳴りを発症した日は今でも覚えていて、なんだかいつもの耳鳴りとは明らかに《質》が異なる気はしたのだが「まあ耳鳴りだし寝たら治ってるか」と考えて眠りについた。

しかしその日以降、耳鳴りは24時間常に一定の音量で鳴り続け、寝ることさえままならない日々が続く。眠ろうとすると左右の耳鳴りがハウリング現象を起こして負の増幅ループが発生し、耐えられなくなって飛び起きてしまうのだ。

囚人にヘッドホンを装着して延々と音楽を聴かせる《音責め》と呼ばれる精神的拷問がある。まさにそれ、といった感じだ。

拷問と同じで、逃れる術がない。テレビを見ていようが賑やかな商店街を歩いていようが、耳鳴りは絶えずつきまとってくる。

発症してから5日目にはもう、安楽死する方法をインターネットで調べ始めていた。正気に戻ったときに冷や汗がどっと出た。まさか耳鳴りに、これほど強い希死念慮を誘発する作用があるものとは想像もできなかった。

弊著『妹の左目は、冷凍イカの瞳。』において、人類に自殺衝動を沸き起こすウイルスを題材に私はパンデミックホラーSF小説を書いた。

当時、やはりウイルスのくだりにリアリティを出すのが難しいなと感じたものだが、なるほど、今なら圧倒的リアリティを持った最凶のホラーが書けるだろう。

自分の精神力が、そのときまで残っていればの話だが――。

耳鳴りの問題は生活の質(QOL)を下げることだ、といった話がネットの解説文には書かれている。実際はそんな生易しい問題ではない。仕事はもちろんながら、日常生活に大きな支障をきたす。

私にも物書きとしての矜持があるから、決してこんなところで屈したくはない。しかし得るべき教訓があったとするならば、人生は何があるかわからない。

それゆえに、自分の書きたいものは書けるうちに書く。書けるときに書けるものを書く。後悔を残したくない。できることをできるうちに精一杯やっておきたい。

なんにせよ思った以上に精神的消耗が激しい。3年前に神経性胃炎に散々悩まされたときのことが可愛く思える。

もちろん今は病院にかかっており、まずは治療に専念したい。

(了)

脱社畜サロンに入ってプロブロガーを目指す前に試したい「バーベル戦略」について

イケダハヤト氏の企画する、3日間で参加費30万円の「脱社畜サロン合宿」なるものが耳目を集めている。

30万円という決して安くはない費用を取ることからして、ターゲット層は安定した給与を得ているサラリーマンになるのだろう。

僕自身、正社員になったことがないからまったく他人のことは言えないのだけれども「会社を辞めてプロブロガーになろう!」「Youtuberになろう!」とするのは大変リスクが高く、かつ期待収益率の低い危険な賭けに思う。

例えるならば「定期預金を解約して仮想通貨に全力投資するぜ!」に似たような行いである。

とはいえ、ブロガーにせよ小説家にせよ文筆業で食っていくのは僕にとっても憧れであるし、Youtuberだってエンターテイナーとして素晴らしい職業だ。夢を追うことは悪くない。

リスクを限定して、すなわち失敗しても死なないようにして、かつハイリスク・ハイリターンな夢を追うためにはどうしたら良いだろうか。

統計学者であり金融トレーダーであったナシム・ニコラス・タレブ氏は、著書『ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質』において《バーベル戦略》と呼ばれる考え方を提唱する。(※リンク先はAmazon)

バーベル戦略とは一般的には両極端な性質を持った金融商品を組み合わせてポートフォリオを構築する戦略で、バリュー株とグロース株だとか債券とレバレッジをかけた株式ETFだとか、さまざまな組み合わせ方がある。

タレブ氏はとくに「運用資金の85~90%をローリスク・ローリターンな安全資産に投資し、残りの10~15%でハイリスク・ハイリターンな賭けに投じる」やり方をバーベル戦略として紹介している。

90%の安全運用と10%のハイリスクな賭け

2017年のビットコインバブルの際は「銀行にお金を預けていてもどんどん価値が減価してゆくから、今のうちに法定通貨を仮想通貨に変えておかないと相対的に大損する!!」みたいな怪説が叫ばれた。

しかしそれこそ、タレブ氏が賭けたリーマンショック以上に起こり得ない異常事態(ブラック・スワン)である。

仮に、法定通貨の価値が大幅に毀損されて、仮想通貨が覇権を取る時代がやってくると想定したとしよう。その《ブラック・スワン》のために投じられる資金としては、やはり投資資金の10%くらいが限度だと思う。

さておき、バーベル戦略は「プロブロガーやYoutuber、小説家や漫画家」を目指す際にも適用し得る考え方である。

ブロガーやクリエイターとして食っていくのは非常に狭き門であり、そのくせ参入者はやたらめったら多い。3年以内にリーマンショック級の金融危機が起こる確率と、僕が小説新人賞デビューして人気作家になる確率とを比較すれば、おそらく悲しいことに後者の方が低いだろう。

なので、リソースの90%は安定した本業に注ぎ込んで、残りの10%で大きな夢を叶えるためのクリエイティブ活動に励む。90%はプログラミングや英語など仕事に直結する資格の勉強に費やして、残りの10%は脚本理論など趣味的な学習に費やす。

90%と10%の比率にこだわる必要はないけれども、なんにせよ優先順位を考えれば、本業第一と言わざるを得ない。

「脱社畜サロン」の危うさは、90%の安全資産を捨てさせハイリスクな賭けに向かわせようとする点にある。

とはいえ、ブラック企業や低賃金労働の闇が広がる現代においては、心身を壊さず十分な賃金が得られる安定職を得ることも大変難しい話で、とかく世渡りが難しい。世知辛い。

最後に、プロブロガーを目指す人のために、僕個人のデーターを開示したい。

僕は20​08​年から11年間にわたってさまざまなブログ・サイトを運営してきたけれども、2019年1月現在、運営中のすべてのサイトを合算したアクセス数は8万PV/月だ。

11年間ブログを続けても、月10万PVに満たない。

もちろんこれは本業の10%のリソースしかブログ運営に割けなかったためであるものの、しかし逆説的に考えれば10%だけだったから11年間もブログを継続することができた、とも言い換えられる。

ともかく、プロになるならないは別として《書きたい》というおのれの衝動に従って自由に書くことのできるブログは素晴らしいものだと思う。

(了)

約束

 中学校の休み時間。将来の自分がどのようになっているかについて、旧友とはよく話したものだった。

「俺たちは夢を持っているけどさ、それを叶えられるのはごく一部で、きっと俺らも将来はふつうのサラリーマンになっているんだろうな」

「きっとそうだな」

 と笑い合ったが、ボクたちが勘違いしていたのは《ふつうのサラリーマン》とやらになるのは、そんなにたやすくはないことだった。

 あれから十数年の歳月が経ち、旧友のひとりは職が決まらずアルバイトを転々とし、もうひとりは正社員にはなれたものの「ブラック企業で今すぐにでも辞めたい。でも親や親戚が絶対に許してはくれない」と悩みを吐露する。

 ボクにしてもフリーランスとしては失敗しており、業務委託の仕事を続けつつも、掛け持ちできるパート求人を年末に探すような状況だ。

 ふつうのサラリーマンだとかふつうの社会人だとか、そういった子供心に抱いた大人像が幻想であった事実に、随分後になって気付かされてしまった。

 今年最大の寒波が襲い来るなか、未来が視えなくなっていた。中学時代から習慣的に続いている年賀状は「今年もよろしく!」くらいしか書く内容がなく、その筆跡から精神的なゆとりのなさを窺い知れる。

 それでもボクたちの関係を繋ぎ止めるのは、中学の卒業式で誓い合った《共通の夢》だった。

 ボクたちは互いにライバルで、真っ先にその夢を実現するのは他ならぬ自分であると、そう意気込んでいた。

 とはいえ月日は流れ、受験勉強や就職活動に忙殺されるうちに、ボクはいつしか夢に見切りをつけ、忘れようとした。とりあえずは目先の金を稼ぐことのほうがずっと重要だったからだ。

 そんな折、旧友から連絡が入った。

「お前はまだ書いているのか? 俺は最終選考に残ったぞ」と。

 驚いたことに、旧友は今でも小説新人賞に投稿し続けていた。そしてようやく、最終選考に勝ち進んだそうだ。十数年間、彼は他者から何と言われようとも、書き続けたのだ。何度落選しても、挑み続けた。

 ボクたちのなかで誰かの夢が叶うのであれば、きっと彼が最初でなければいけない。連絡を受けた時、もちろん心の底から喜んだ。だが同時に、焦燥感や自己嫌悪も大きかった。

 去年といえば、ボクが「よっしゃ仮想通貨でワンチャン当ててやるぜ!!」とビットコインFXにのめり込み、まんまと嵌め込まれてひと泡吹いていた時期だ。そんな間にも友人はひとりで頑張り続けていたのだ。

 自分は本当に、今まで何をやってきたのだろうか。

「あのときの約束、まだ忘れてないよな?」

 友人は言った。

「約束……? いや……」

 そんなんあったとしても時効やろ、と言いかけ、口をつぐむ。

 少しの間を置いて

「いや……、もちろん。忘れるわけないやろ」

 と返答すると、彼はそりゃそうだよな、と笑った。

 たぶんそれはきっと、決して忘れてはいけないものだったのだ。

(了)

好きになったキャラが幸せになれない問題

 卵が先か、鶏が先かの問題になってしまうのだけれど、ボクの好きになったキャラクターに限って幸せになれない。推しキャラが悲劇的な顛末を迎える物語にこれまで多々出くわし、つらい。

 失恋する。闇堕ちする。夢を叶えぬままに死んでゆく。切ない笑顔を最期に見せて、この世を去ってしまう。

 そういった《報われない系》のキャラクターばかりに感情移入してしまって、とてもつらい。アニメを観たり漫画を読んだりするたびに喪失感を味わっている気がする。

 某魔法少女アニメではボクが好きになった順番にヒロインが死んでいって「おいふざけんなよ!!」と思った。

 よく少女漫画のヒロインが「わたしが好きになった人はみんないなくなってしまうの。だからもう誰も好きにならないし、誰も愛さない」みたいな台詞を口にする。まさにそんな気持ちだ。

 あるいは「こんなつらい気持ちになるならば、はじめから恋なんてしなければ良かった」のように、(くっ……あのとき3話で切っておけば良かった……)と悔やむ。

 無論、それほどに感情移入をさせる優れた作品であることの裏返し表現と受け取って欲しい。出来の悪い悲劇からは、悲しみも後悔も生まれないのだから。

 たとえ虚構であったとしても、そこから得た感情はまぎれもなく、本物だ。

 創作は、感情の錬金術である。

 さておき、今期アニメで最も安心して楽しめたのが『ゾンビランドサガ』だった。最初は佐賀県のPRアニメかー、とさして気にも留めていなかったが、これがとんでもないダークホースで、今期の覇権にふさわしい素晴らしさであった。

 アイドルモノだがヒロインは全員死んでおり、ゾンビになっている。夢半ばで壮絶な死を遂げた悲劇的なヒロインたちが集まるものの、コメディをベースに観客を笑わせ、しかし肝心なところではきっちり泣かせる、絶妙なさじ加減でギャグとシリアスを使い分ける傑作だった。

 ゾンビランドサガは見方によっては《悲劇を越えた先にあるもの》を描いた作品だった。

 夢を叶えられず生を終えたヒロインがゾンビとして蘇る。それは悲劇からの救済であり、運命に対する逆襲である。

 ゾンビランドサガのオープニングでは、つぎの前口上が語られる。

死んでも夢を叶えたい! いいえ、死んでも夢は叶えられる!

それは絶望?それとも希望?

過酷な運命乗り越えて、脈がなくても突き進む!

それが私たちのサガだから!

  ゾンビランドサガは、悲劇系ヒロインばかり好きになってしまい打ちひしがれていたボクに、ひとつの希望をもたらしてくれたように思う。

 命を散らしていった推しキャラがいつの日かゾンビとして復活し、生前の夢を叶える未来を切に願いたい。

(了)

SSSS.GRIDMANの最終話がボクに突きつけてきた残酷なメッセージについて

 もちろんこの記事にはSSSS.GRIDMANの最終話ネタバレが含まれるため未視聴の人は回避してほしい。

 と警告しておきながらさっそく本題に入るけれども、結局のところあれは『自身の創作物によって自己を救うことはできるか』『創作による自己救済は可能なのか』という問いかけを秘めた物語で、言うまでもなく新条アカネはこちら側(・・・・)の人間である。

  こちら側、つまり新条アカネは物語の演者である以前に、虚構世界を創作する側の人間であった。

 ボクは就活に失敗してメンタルが死にかけていた頃に、小説をひたすら書きまくった。誰に読ませるためでも誰に評価されるためでもない、自己救済のための小説だ。合計すると10作くらい書いた。

 地球に隕石が落ちて主人公が夢を叶えられないままに死んでゆく話だとか、入社式に行ったら自分はすでに死んでいてそこは冥界だった話だとか、就活で挫折して引きこもりになった男が虫のバケモノになった話だとか、人類が自殺ウイルスに感染して滅亡に向かうなか主人公がハローワークに行く話だとか、いろいろ書いた。ひどいやつをたくさん書いた。ボクはただ、自分の書く物語によって自分自身を救いたかった。

 そのために、虚構の世界でたくさんの人を殺したし、街を壊した。そして登場人物が気に入らなければリライトをしてそのキャラ自体を《存在しなかった》ことにした。何度も創っては壊した。

 ボツになった設定資料、未完の原稿、破綻したプロット、たくさんの出来損ないのデーターが次から次へと生み出されて、自分の周りは創作物の残骸を入れたゴミ袋でいっぱいになった。身動きの取れないゴミ屋敷だ。

 原稿を書いていると、時たま作中のキャラクターが「お兄ちゃん、こんな不毛なことはやめてもう一度就活に挑戦しようよ」と説教をしてきた。頭にきたボクは創作世界にナメクジオバケを解き放って彼女を死なせた。

 身勝手な神様のせいで、人が生まれ、世界が動き出す。そして人が死に、世界が壊れる。目的を果たすまで何度も何度も、新しい物語は生まれ続ける。

 自身の創作物によって自己を救うことはできるか。

 創作による自己救済は可能なのか。

 

 新条アカネは、ボク自身である。

 彼女が負の感情から怪獣を生み出したように、負の感情は得てして創作に昇華される。

 ボクの書く物語には、裕太や六花や内海はいるのだろうか。あるいは生みの親である作者に反旗を翻して立ち向かってくれるアンチ君はいるのだろうか。

 

 

 お願いだ――、助けてくれ、グリッドマン――。

(了)

文字単価0.1円で発注されるライティングタスク案件の正体

ランサーズやクラウドワークス等では「1文字単価0.1円」を下回るライティングタスク案件が数多く見つかる。

僕の平均筆速は時速1,600文字程度だから、これでは時給160円しか稼げない。小説家トップクラスの速筆を誇る森博嗣さんでさえ、1時間に進める原稿は6,000文字くらいだとインタビューで答えている。*1

すなわち、文字単価0.1円の案件というのは、常人はもちろん神様レベルの速筆家でも最低賃金を上回ることが不可能な案件であると言える。

しかしながら、このような低単価ライティングタスクは思いの外人気が高く、発注者が設定した作業枠がすべて埋まることも珍しくない。

なぜかというと、受注のハードルがとても低く、クライアントとのコミュニケーションコストも発生しないからだ。

提出した記事はクオリティが低くともほとんどの場合で承認される。修正指示が飛んでくる心配もない。

発注者側も文字単価0.1円で募集をかける以上、記事のクオリティは一切求めていない。「一切求めていない」とまで断言してしまうのは、その記事の利用用途ゆえんである。

ゾンビブログはどのようにして生まれるか

にわかに信じられないかもしれないが、古典的なブラックハットSEOは今なお健在である。古典的なブラックハットSEOとはすなわち「被リンクの偽装」だ。

"Content is King" , "SXO"(ユーザー体験最適化)の時代においても、被リンク獲得数は未だ検索順位に影響を与える。たくさんのサイトやブログからリンクを貼られたコンテンツを検索エンジンは「信頼できる」と判断し、検索結果の上位に表示する。

そこでブラック・アフィリエイターたちは

  1. メインサイト(アフィリエイトで稼ぐサイト)
  2. サテライトサイト(メインサイトにリンクを送る用のサイト)
  3. ゾンビブログ(サテライトサイトにリンクを送る用のサイト)

の多段ピラミッド構造にサイトを分け、メインサイトがさも自然な被リンクを獲得しているかのように検索エンジンに誤認させる。

もちろんこれは、Googleの策定する『品質に関するガイドライン』違反である。*2

2013年頃に、僕は『新卒者就職応援プロジェクト』という経済産業省の就職支援制度(インターンシップ)を利用していた。

そこで紹介された実習先企業が、上記のブラックハットSEOをやっていたアフィリエイト事業法人であった。

その企業では5名ほどの実習生を受け入れ、Web制作の練習と称して被リンクスパム用のゾンビブログを大量生産させていた。僕は実習生としてそこで数ヶ月働いていた。

毎日(IPアドレスを変えて)大量のメールアドレスとブログアカウントを取得する。自動ライティングツールやクラウドソーシング経由で入手した記事をブログに貼り付け、ブログがインデックスされたらサテライトサイトへのリンクを送る。

読者に決して読まれることのない、被リンク獲得のためだけの無味乾燥な文章の羅列。ゾンビブログの数は、自分の担当分だけでも1000を軽く超えていた。

国の助成金が結果的にはブラックハットSEOの会社に悪用されていたというわけである。

さておき、冒頭に挙げた「文字単価0.1円のライティングタスク」は往々にして、ゾンビブログ生成のために使われている。だから記事のクオリティなんてどうでも良いし、キーワードの入ったオリジナルの文章でさえあれば何でも良いのだ。

こんな小手先のSEOは、とっくに過去の遺物となったものだと思っていた。

そうであればどんなに良かったか。

2018年12月現在、ライティングタスクの追跡調査を独自に行ったところ「ゾンビブログ案件」は未だ健在であった。

クラウドソーシングの闇はまだまだ深い。

(了)

挫折、敗北、失敗、虚無感、悲しみ、およそこれらの絶望についての話

仕事やプライベートでつらいことが続き、キーボードは一打鍵が鉛のように重く、筆はナメクジが這うよりも進まない。顔が濡れ、愛と勇気を失い、そのうえジャムおじさんとバタコさんから見捨てられたアンパンマンのごとく、生きる力が根こそぎ奪われている。

3年間にわたり仕事として引き受けてきた、あるプロジェクトがご破算となった。

これまで私が設計・運営に携わった数十のウェブサイトが消えた。書いてきた数百の記事コンテンツが消えた。海の藻屑となって消えてしまった。跡形もなく消えてしまった。

よくあることだし、これ自体が悲しみの原因というわけでもない。ただ、「このサイトにアクセスできません(ERR_NAME_NOT_RESOLVED)」の真っ白な画面を眺めていたら、操り人形の糸がプツンと切れる音がした。

〆切に追われて胃をキリキリと痛めた日々だとか、理不尽な修正指示に耐え続けた結果が、この真っ白な《無》だったというだけだ。特段珍しいことではないし、過去に経験がないわけでもない。

ただなんというか、私はまだ就職活動での失敗を引きずっているのだと思った。内定を得ることは、学生が社会人になるための通過儀礼である。イニシエーションを乗り越えられなかった若者は周囲から見下されるし、良くても憐れまれる。

就活で失敗をすると、他者から認められること、社会人として評価されることのハードルがものすごく上がってしまう。

しばしば「就活をやめてプロブロガーになります!」「新卒でフリーランスになります!」とブログで宣言した人が、はてなブックマークのコメントでこてんぱんに叩かれているが、本人としては相当に辛いのではないか。

彼らの多くがおそらくは「サラリーマンにならなかった」わけではなく「サラリーマンになれなかった」のであり、自ら好んでレールを外れたというよりは、やむなくレールを外れざるを得なかったのだろうから。

もっとも、このあたりの恨み嫉みを述べるとそれはただのルサンチマンであるし、精神的に健全であるとは言えない。

なんにせよ、成功体験を積み上げられない挫折続きの人生では、自己肯定感を育むことができず、危ういことになる。

恨み、憎しみ、わななき、怖れ、止むなくもつらき労働の冬は、

今し、ふたたび、わが身のうちに、帰り来らんとし、

北極の地獄に落ちし太陽に似て、わが心は、

凍りたる赤色の、一塊に過ぎざらんとす。

 

(引用:「ボードレール詩集」秋の歌より抜粋/堀口大學 訳/1951年 新潮文庫 p.75)

デカダンス(退廃主義)は芸術に昇華できるのなら美しく人の心を打つ。しかし昇華できないのなら朽ち果てたカラスの死骸も同然である。虚無や絶望に酔いしれ、溺れないようにしたい。

 

高校バドミントン部を題材としたスポーツ漫画「はねバド!」では、主人公が他者に対してリスペクトを持てずに悩むシーンが描かれる。

主人公の悩みに対してコーチは、本人が他者へのリスペクトが持てないと言うのならば、無理にリスペクトを持たせることに意味はない、と考える。

その上で「競技そのものに対してリスペクトを持て」とアドバイスをする。バドミントンが好きで、バドミントンそのものにリスペクトが持てるようになれば、やがてはバドミントンに携わるすべての人を愛せるようになるだろう、と。

これは自己肯定感が欠如する人にも同じことが言える。自分で自分を認められない、信じられない、好きになれない。肯定できない。

そんなときは、自己からひとまず目を離して、愛するものに目を向けたい。

私は自分の書くものには自信が持てないが、創作そのものを愛している。

失敗や挫折が重なり、自己嫌悪と自己不信が渦巻くなか、たとえ自分を信じることができなくとも、自分が心から愛するものに目を向け、その愛する気持ちと、それを愛する自分を信じて、前に進みたい。

(了)

自転車用の「暗証番号ボタン式リング錠」がかなり便利だった話

今年の《もっとはやく買っておけば良かった!便利アイテム》の優勝候補が、GORINから販売されている『Vブレーキ用リング錠 BLACK GR-523』だ。これは本当に、あと3年、いや10年くらい早くに買っておけば良かったと後悔した。

GORIN Vブレーキ用リング錠 BLACK GR-523

GORIN Vブレーキ用リング錠 BLACK GR-523

GORIN GR-523はクロスバイク用のリング錠だ。

その特徴としては「鍵が不要」であること。

キーレス式で、四桁の暗証番号のボタンを押すことで解錠できる。なおVブレーキではない一般的な街乗り自転車用のタイプも販売されている。

写真のように後輪のVブレーキ部分に簡単に取り付けられる。

四桁の暗証番号は元から決まっており、自分で設定したり変更したりすることはできない。また、番号を押す順番も関係がなく、とにかく4つの番号が合っていればOKというタイプ。

10個の数字ボタンのうち4つの数字ボタンを押して解錠する。つまり組み合わせは10C4で、210通りとなる。万が一暗証番号を忘れても力技でロックを突破することは可能だ。(もちろんリング錠そのものを取り外した方が早いが)

「暗証番号ボタン式リング錠」のメリット

自転車の鍵を探す手間から解放される

本製品のメリットはひとえにこの一点のみに集約される。

ボクも片付けるのが下手なタイプで、物をよく無くしてしまう。自転車の鍵はまさに無くしやすいものの典型例で、急いでいるときに限って自転車の鍵が家のどこにも見当たらない。

自転車の鍵が見つからなくて、かれこれ30分以上家中を探し回った結果「ポケットに入ってるじゃねーか!!!」とずっこけた回数も数え切れない。

あるいは外出先から戻って駐輪場に停めた自転車を取り出そうとしたときにも、鍵が見つからないことがよくある。大抵はカバンの奥底の隙間に入り込んでいたりするのだが、見つけるのに随分な時間がかかってしまう。

そういった「自転車の鍵が見つからない!!」といったトラブルから解放してくれるのがこの暗証番号ボタン式リング錠の素晴らしさだ。

自転車の鍵が毎回見つからなくてイライラさせられている人には、本製品を心からおすすめしたい。

デメリットはセキュリティの低さ

4桁の暗証番号があるとはいえ、組み合わせはたったの210通り。セキュリティはお世辞にも高いとは言えないです。高級なロードバイクやクロスバイクでは、本製品のような簡単にロックが外れてしまう鍵の単体使用は推奨できないです。盗難される危険性があります。

加えて、暗証番号タイプのリング錠は

  • ロックをかけ忘れやすい
  • 解錠後、凹んだボタンを元に戻さないと他者から暗証番号が丸わかりになる

といった欠点がある。

ボクが使っているクロスバイクは街乗り用のめちゃくちゃ安いやつなので、盗難されるリスクは低いと考えている。しかし高級自転車では上記のようなデメリットがあることは知っておきたい。

なお上記製品は、Vブレーキ装着車(クロスバイク等)専用で、それ以外の自転車には取り付けられないため注意。

いわゆるママチャリ用の暗証番号タイプリング錠であれば「GORIN ボタン式リング錠 GR-500 K」か「GORIN ボタン式リング錠 GR-520 SL」が対応製品となる。(いずれもリンク先はAmazon)

以上、暗証番号タイプのリング錠は私的になかなか便利で良かったという話でした。

(了)

米国VI(恐怖指数)の長期ショートは「やめたほうがいい」という話

本来、恐怖指数のCFD取引なんてものは超上級者向けのトレードであるのだが、このところにわかに人気を集めている。

米国VIの長期ショートは勝率が高くて期待利回りも高く、リスクも低く抑えられる!」とメリットを謳うブログが散見される。

しかし騙されてはいけない。世の中にローリスク・ハイリターンな都合の良い投資先など存在しない。少なくとも一般投資家がリーチできる範囲内には。

米国VIの長期ショートを考えている人は、これを見てほしい。

GMOクリック証券からのロスカット執行メール

先日2018年10月11日のNYダウ暴落騒動のときにGMOクリック証券から届いた、恐怖のロスカット執行メールである。恐怖指数の急騰を受けて、米国VIのショートポジションが3つもロスカットされてしまった。

米国VI長期ショートのデメリットを下記に挙げていく。

【罠その1】恐怖指数はどこまで上がるか分からない

巷の情報サイトでは

「米国VIのショートはロスカット値を80以上に設定しておけばリーマンショック級の金融恐慌でも耐えられるので安心!」

といったようなことが書かれているが、これは安心でもなんでもない。

たしかに、1993年以来の恐怖指数の史上最高値はリーマンショック時(2008年11月)の「89.53/※VI値は 72.80」が最高である。

でもこれは、たまたま偶然に、リーマンショックのときは米国VIが 72.80 までしか上がらなかったという過去の事実に過ぎない。

もしかしたら 100を超えていたかもしれないし、それ以上だったかもしれない。

ちょっと考えてみてほしい。もしもあなたが、リーマンショック以前から米国VIの長期ショート戦略を取っていれば、過去のデータからこのように考えたはずである。

(恐怖指数の高値は、1997年のアジア通貨危機のときが 48.64 、翌年のロシアデフォルトで 49.53、2001年のアメリカ同時多発テロ事件のときでさえ 49.35 が最高値だった。市場に大きなパニックがあっても恐怖指数は 50 を超えたことが一度もない。

余裕を見て、ロスカットレートは 60 あたりに設定しておけばまず安全だろう。)

ほら、過去のデータは当てにならない。実際、1987年のブラック・マンデーのときにVIX指数が存在したならば、リーマンショック時の最高値を軽く超えていただろうという話もある。

万が一の際にも安全なロスカットレートを見極めるためには 恐怖指数 - Wikipedia に掲載されているVIX指数の算出式を理解し「理論上はこの数値以上にはなり得ない」と言えなければならない。

もちろん僕には恐怖指数の算出式は意味不明で、さっぱり理解できない。数Ⅲの勉強を疎かにしていたことを心底後悔している。

【罠その2】米国VIの長期投資は「宝くじ」の正反対である

もしかしたらこのように考えるかもしれない。

「ロスカットレートをリーマンショック時の2倍(140くらい)に設定しておけば、ロスカットにかかる確率など万に一つしかないのだから、米国VIの長期ショート戦略は極めて期待値の高い投資手法なのでは?」

たしかにそのとおりだ。

それゆえに厄介だともいえる。

なぜならば、これは「宝くじの正反対」だからである。

宝くじはほとんどの確率で外れを引いて投資元本を失う。その代わりに万に一つもない確率で大金を得ることができる。

対して、米国VIの長期ショートはほとんどの確率で勝つことができ、ロスカットレートを100以上に設定しても年利5~10%となかなかの成績で運用できる。その代わりに、リーマンショックをはるかに超える万が一の金融恐慌が起これば、投資元本をすべて失う。

さて、この「逆」宝くじを我々は買うべきだろうか。

【罠その3】そもそもメンタルが含み損に耐えられない

高値圏で S&P500 を買っていたインデックス投資家は、リーマンショックのときにマイナス50%もの含み損に耐えなければならなかった。当時のことは知らないが、おそらくセンセーショナルな報道が連日なされただろうし、人々は悲観に明け暮れていただろう。金融市場の終焉を信じた人も少なくなかったはずだ。

そのなかでなおポジションを手放さず S&P500 に積立投資を続けられるのは、とてもメンタルの強い投資家だけだった。米国経済の回復と成長を信じて貫いた人だけが、絶好の買い場を自分のものにできた。

さて、もはや言うまでもないことだが、リーマンショックのときに S&P500インデックスを持ち続けるよりも、米国VIのショートポジションを持ち続ける方がはるかにメンタルをやられる。

たとえロスカット値を100に設定していたとしても含み損はマイナス70%を超え(その上、恐怖指数はどこまで上がるか分からないので)追加の証拠金投入を迫られる。

米国VIが大きく値動きするのは米国市場がオープンしている夜間であるから、不安で眠れたものではないだろう。

もしもリーマンショック時に米国VIを 25 でショートしていた場合、含み損は2008年9月から翌年5月頃まで解消されない。

およそ8ヶ月もの間、耐えられるだろうか。ジェットコースターのような恐怖指数の値動きと、迫りくるロスカット、広がる含み損、悲観的な報道、不況……。

耐える自信がないのなら、米国VIの長期ショートはすべきではない。年利10%で資産を増やすことよりも、健全なメンタルを保つことのほうがずっと価値のあることだ。

【罠その4】ポジショントークに騙されないように

ここまで読んでくださった方ならば、米国VI長期ショートの隠れたデメリット、恐ろしさに気づいていただけたかと思う。

米国VI長期ショートは、たしかに勝率が高い。だが、ローリスクとは言えない。

年利 5%程度で良いならば S&P500インデックスに長期投資するので十分だ。たとえ暴落して含み損を抱えることになっても、そちらの方がメンタル的にはマシである。

投資初心者の人に対して米国VIショートを勧めているような情報サイトは、ある意味ポジショントークなところがあり、GMOクリック証券の口座開設をさせてアフィリエイト報酬を得ることを目的としている。

もちろん、サイト運営者の方を批判するつもりは一切ない。投資は自己責任の上で各々が自由に判断し、楽しんだら良いものと思う。

ただ、ツイッターなんかを見ていても不用意に米国VIショートを始める人が散見される。警鐘を鳴らす意味で、今回はリスクとデメリットをご紹介させて頂いた。

かくいう僕自身もCFDで下手なトレードをしたせいで今現在は多くの損失を抱えており、

たすけて……:;(∩´﹏`∩);:

って感じで今部屋の片隅に座り込んでガタガタ震えている。

浅はかで愚かなトレードをして後悔している僕みたいにならないよう、反面教師としていただけたら幸いだ。

(了)

【悲報】CFDトレーダー引退のお知らせ(フラグ回収)

【前回のあらすじ】

ヒャッハーーー!!

CFDトレードで 16連勝を果たしたぜ!!

我が天才的な頭脳と神がかった直感をもってすれば恐れるものは何もない。

かくなる次の一手は、日経225の全力ショート!!!!

総裁選は終わった、円安は進み過ぎている。FRBの利上げシナリオに暗雲が漂いトランプ大統領が高らかに円安批判演説を始めれば為替には大きな調整が入り、不自然に釣り上げられた日経平均株価は奈落の底だぜ。知らんけど。

よーし、乗るしかない、このビッグショートに!!!!!

と丁寧なフラグを立てたのが下の前回の記事。

 

あれからどうなったのだろうと心配していた読者さんがいらっしゃるかもしれない。

安心してほしい。

フラグは無事に回収した。

(GMOクリック証券 CFD口座)

収支がちょうどプラマイゼロになるあたりで設定した逆指値に引っかかり、口座を見に行った頃にはポジションが決済されていた。

成績は「16勝 3敗」

回数では勝ち越しているもののトータル利益は「-279円」で負けとなった。

これはまさにコツコツ勝ってドカンと負ける、典型的な敗北パターンだ。プロスペクト理論における認知バイアスの罠に囚われた、トレーダーのありふれた末路である。

今回、トレードのために投入した金額は 5万円だった。

16連勝を果たして 5万円は 6万5千円になった。しかし、たった3回の負けで 49,721円に減ってしまった。

ボクはCFD口座にお金を入れるときから(どうせ自分のことだから途中で調子に乗って大負けするんだろうな……)と予測していたから、大金は入れなかったし、逆指値の保険により被害を 279円で済ますことができた。

 

では、もしもCFDによる資産運用を本気で考え、500万円を投入していたらどうなっていただろうか。

そう、500万円 → 650万円 → 497万円 と手持ちの時価評価額が揺れ動くわけである。これに耐えられるメンタルを持った人間は、なかなかいない。

資産を投資で運用するのは構わないが、投機で運用してはいけないわけである。

投資と投機の違い

投資と投機の違いは、それが「ポジティブサムゲーム」か「ゼロサムゲーム」かである。

明日の S&P500(米国株価指数)がプラスになるかマイナスになるかは誰にも予想できない。指数トレードをして勝ったのであれば、それと同じだけの敗北者がいる。誰かが得をした分だけ、誰かが損をしている。それがゼロサムゲームの世界だ。

一方で、30年、50年と長いスパンで見たときに、第四次産業革命が起こり人類経済がより発展を遂げ、その中心となる米国企業がそれに見合った収益を上げるのであれば、S&P500は長期的に右肩上がりとなる。

米国市場に長期投資をしていた人間は、全員が利益を手にする。素晴らしきポジティブサムゲームだ。

もっとも、「金融恐慌の真っ只中で自分は死ぬかもしれない」「地球環境の致命的な悪化が資本主義を脅かすかもしれない」可能性は大いにあり、ポジティブサムゲームだからといって勝てるとは限らない。(けれども不安になっていても何も解決しない)

投機は人々の「時間」を奪う

投機が投資と決定的に異なるのは、それが人々の時間を奪うところである。投機は時間泥棒だ。

先物取引をしていれば否が応でも決済期限が気になるし、期限のないCFD取引だってレバレッジをかけていれば毎朝チャートを確認せずにはいられない。

どのタイミングで買って、どのタイミングで売り払うのか。為替レートや経済ニュースを絶えずチェックし、ポジションに頭を悩ませる。

判断する機会が多ければ多いほどに、我々は投機によって貴重な時間を失う。それは二度と戻ってくることがないものである。

ボクは今回のCFDトレードで279円の損失を出し、引退するに至った。けれども損失を出したこと自体はどうでもよく、問題なのは時間を浪費してしまったことだ。

これが適切な「投資」であったならば、時間が奪われることはない。年に1回リバランスをするくらいで、あとはほったらかし。チャートも見ない。

「自分が判断する機会」を限りなく減らし、そもそも投資したことなんか忘れてしまうのが理想といえる。目の前の仕事や生活に集中し、今この瞬間を楽しめるように生きたいものだ。

恐ろしい「投機」の時代が始まる

以上、よくある自己啓発書やビジネス書に書いてあるようなことを長々述べてしまった。自戒を込めて、というよりも自分に言い聞かせるつもりで書いている。

ところで「まだ仮想通貨持ってないの?」というブログを運営し、数多くの読者を仮想通貨沼にいざなった著名ブロガー、イケダハヤト氏が今度は「トライオートFX」に着目している。

彼は「日本一のFXブロガーになります!」と宣言し、FXの自動トレードを初心者に勧める記事を量産し始めている。

ボクは、イケダハヤト氏のアーリーアダプターとしての才覚は、純粋に評価している。おそらく本当に「トライオートFX」とやらはこれから大ブームになり、彼も日本一のFXブロガーになるのだと思う。(恐ろしい恐ろしい……)

投機沼に足を突っ込んで溺れるボクみたいな失敗をしないよう、どうかくれぐれも注意してほしい。

(了)


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