MFクラウド確定申告を1年間使ってみた所感(具体的な難点・デメリット)
先週の2月22日に確定申告を済ませてきた。
『所得税の青色申告承認申請書』を提出済みで、複式簿記で取引管理していたため、青色申告でやってきた。でもぶっちゃけ、税金を納められるほど稼ぎがないもんで、ふつうに白色申告で良かったですね……。:;(∩´﹏`∩);:
さておき、会計ソフトには『MFクラウド確定申告』を使用した。
おそらく多くのブログやサイトでは、MFクラウドのメリットや利点を詳しく書いていることと思う。なのでこの記事では(逆張りというわけではないが)利用者目線に立ったMFクラウドの使いづらいところとデメリットを中心に書いていきたい。
【解決済み】MFクラウドの難点1:自動仕訳のデータ連携が完全ではない
MFクラウド確定申告の目玉機能として「データ連携」という仕組みがある。例えば僕は、MFクラウドと下記のサービスとを連携させている。
- 住信SBIネット銀行
- リクルートカード
- A8.net
- もしもアフィリエイト
- もしもドロップシッピング
- ランサーズ
で、連携すると何が便利かというと、仕訳を自動でやってくれるのだ。
ネットに晒して良いものか悩ましいが百聞は一見に如かずということで。
※1:A8.netで確定報酬が生じたタイミングで、売上高発生の仕訳をする
※2:DMMからクレジットカード払いが生じたタイミングで、通信費発生の仕訳をする(※通信費は決算処理のときに家事按分します)
※3:ランサーズでプロジェクト完了のタイミングで、報酬・システム手数料・認定ランサー指名料の仕訳をする
上記のような仕訳をデータ連携したMFクラウド側で自動でやってくれる。
というわけで、この機能はめちゃくちゃ便利なのだ。
ところが残念なことに、「もしもアフィリエイト」とのデータ連携がうまくいかない。データの取得状態が《正常》と出ているのに、なぜか「もしもアフィリエイト」の報酬確定データが読み取れないみたいだ。
これは1年前からずっとそうで、運営さんには早いところ直してもらいたい不具合といえる。
追記:不具合修正されました!(2017年3月10日追記)
その後、MFクラウドのカスタマーサポートさんの方に不具合の現象を報告し、調査をしていただきました。プログラムを修正したとのことで、現在は「もしもアフィリエイトの明細が取得できない」という不具合は解消されています。
カスタマーサポートの方のご対応も非常に丁寧で、好感を持ちました。
あと蛇足だけれども「もしもアフィリエイト」をサービス連携する際に、ひとつだけ注意点。もしもアフィリエイトでは、報酬振込のときに「W報酬制度」というボーナスがつくのだけれど、こちらのボーナスの方は明細に反映されない。(もしも側の仕様です)
なので、このボーナス追加分については、MFクラウドに手動で仕訳入力しなければいけない。もしもの明細と実際の振込額で金額が合わない、というのは「W報酬ボーナス」の分なので、混乱しないようにしてほしい。
MFクラウドの難点2:補助科目の設定に手間がかかる
例えば「売上高」の勘定科目に対して、「アフィリエイト報酬」「原稿料」「講演料」のようにカテゴリを設定できるのが補助科目だ。
補助科目を設定すると、収益分析や費用分析がやりやすくなるメリットがあり、僕も積極的に補助科目を活用している。
ところがMFクラウドは、補助科目を登録するのがやや面倒な仕様となっている。
具体的に「売上高」の補助科目を設定しようと思えば、下記の手順を踏む必要がある。
- 《各種設定》タブから《勘定科目》の項目を選択
- 《貸借対照表》のページを《損益計算書》のページに切り替える
- 《補助科目追加》のボタンから《売上高》を選択
- 《補助科目》を登録
この作業がどう考えても煩わしい。
「手動仕訳・簡単入力」の画面や、「仕訳帳」の設定画面から補助科目を追加できるようにするのが親切だし、そこまでいかなくともせめて勘定科目のテーブル表から直接追加できるようにすべきだと思う。
MFクラウドの難点3:簡単入力において『売掛金』の仕訳がやりづらい
付け加えて、手動で売上高を仕訳するときに「手動仕訳・簡単入力」のラジオボタンに『売掛金』の項目がなく、いちいちその他の勘定科目リストから『売掛金』を選択しなければならないのも面倒だ。
『売上高』の相手勘定科目は『売掛金』となるケースが多いのに、簡単入力で売掛金がデフォルト項目にならないのはやはりおかしい。
このあたりは使っていてとくに不便に感じるところなので、運営側に改善提案を出しておきたい。
【解決済】請求書から自動仕訳をした際に、デフォルトの取引日が請求書発行日からずれる
MFクラウドには、請求書や領収書の発行・管理ができるサービス「MFクラウド請求書」というものがあり、僕はこちらも登録している。
《MFクラウド請求書》と《MFクラウド確定申告》は連携することができ、例えば請求書発行のタイミングで、売掛金の仕訳をやってくれる。
ただこのときに、仕訳の『取引日』のデフォルト項目が、どういうわけか請求書の発行日と一致しない。
なので毎回、手動で『取引日』を設定し直さなければならない。かゆいところに手が届かない感じで、もったいないと思う。(すぐ下の追記参照)
問題の解決方法(追記2017年2月28日)
この件についてMFクラウド様より返信をいただき、問題の解決方法がわかりました。「MFクラウド請求書」側の設定変更で、仕訳時のデフォルト取引日を変更できるようです。
下記に手順を紹介します。
- MFクラウド請求書の右上歯車のマークをクリックして「帳票設定」ページを開く
- 「帳票詳細デフォルト設定」の項目で、【売上計上日】を《前月末》→《請求書作成日》へと変更する
これで解決です。
大変お騒がせしました。MFクラウドさんありがとうございました。
MFクラウドの難点4:過去に既存ユーザーへの配慮が足りない形で大幅なデザイン変更がおこなわれた
2016年8月に、MFクラウド確定申告の管理画面が大幅にデザイン変更された事案があった。「デザイン変更」といっても可愛らしい仕様変更ではなく、もう本当に管理画面の何もかもが一変してしまった。
もちろん、MFクラウドではユーザーに対して事前告知がされていたが、それにしてもデザインやツールの名称が大きく変わってしまったため、せっかく使い方に慣れてきた既存ユーザーの(悪い意味で)意表を突くリニューアルとなった。
僕も仕様変更で大いに戸惑った。今まで見られていたグラフが見られなくなったりと、一部に改悪点もあった。(しかし全体で見ると、リニューアル後の方が使いやすくなったのは確か)
せめてここまで大規模なリニューアルの場合、ユーザーが「旧デザイン版」と「新デザイン版」のどちらかを選択できる移行期間を設けるべきであった。
運営からは「新旧ページ対照表」が公開されたが、既存ユーザーに対するそれ以外のサポートはなく、僕としては少し不信感を抱いた。
まとめ
以上、この記事ではMFクラウドの難点・デメリットを4つ挙げた。
逆説的になるけれど、1年間使ってきて上記の4つのデメリットしか気にならなかったということは、それだけMFクラウド確定申告のシステムが完成されているものだと感ずる。
そもそも確定申告ソフトは「確定申告さえ無事に終わったら目的は達成される」といった性質のもの。その点においては、MFクラウド確定申告は(不満点はゼロではないものの)100点満点中85点くらいはつけたい便利なサービスだと思う。
毎月の仕訳件数が15件以内であればフリープランも使えるし、そうでなくとも30日間の無料お試し登録ができる。
まずは試しで、MFクラウド確定申告(公式サイト)に登録してみても損はない。
ランサーズとのデータ連携(自動仕訳)は完璧にやってくれるので、ランサーズからの収入が多いWebライターの人にはMFクラウドをおすすめしたい。
補足:『自動仕訳』は適切な勘定科目を探してくれる機能ではない
留意点として、最初は勘定科目を手動設定する必要があるため、そこだけ誤解なきよう。
(とりあえず使ってみれば分かると思うけれども)例えばコンビニのATMで事業用口座から引き落としたときに『事業主貸』で手動登録すれば、以降もコンビニATMから引き落とされた際に『事業主貸』で自動仕訳される。
ところが初期登録時に『事業主貸』の勘定科目を間違えて『事業主借』でやってしまうと、以降の自動仕訳も『事業主借』が選択されてしまう。
何が適切な勘定科目かは、ユーザー側で判断しなければならない。これは自動仕訳のできるMFクラウド確定申告でも他の確定申告ソフトでも同じこと。
仮に間違った勘定科目で仕訳をしても、MFクラウド側では注意も警告もしてくれない。それだけはどうか気をつけてほしい。
何を隠そう、僕もじつは、事業主貸(事業用口座から生活費を引き落とす)と事業主借(自分のお金を事業用口座に入金する)を取り違えて仕訳してしまった経験がある。
なお記事中で述べたすべてのデメリット・難点について、MFクラウド確定申告のカスタマーサポートには「改善提案済み」である。なのでもしかしたら、この記事をお読みの頃にはこれらのデメリットは解消されているかもしれない。
以上、MFクラウド確定申告を検討される方のお役に立てれば嬉しく思う。
(終わり)