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Webライターとして生きる

五条ダンのブログ。「楽しく書く」ための実践的方法論を研究する。

【書評】人気ブロガー養成講座(かん吉)は承認欲求に囚われずに読めば良書となる

書評 ブログ・サイト運営

菅家伸(かん吉)氏の書いた『ゼロから学べる ブログ運営×集客×マネタイズ 人気ブロガー養成講座』を読んだ。ちなみに本書のタイトルは空白無視で31文字。そしてタイトルには「ブログ運営」「集客」「マネタイズ」「ブロガー」等の重要キーワードが散りばめられている。

ゼロから学べるブログ運営×集客×マネタイズ 人気ブロガー養成講座

ゼロから学べるブログ運営×集客×マネタイズ 人気ブロガー養成講座

  • 作者: 菅家伸,かん吉
  • 出版社/メーカー: ソーテック社
  • 発売日: 2016/10/08
  • メディア: 単行本
  • Amazon楽天ブックス
 

そう、お気づきのとおり、本書自体がSEOを強く意識している。筆者のかん吉氏は日本アフィリエイト協議会の理事をしており、彼の「わかったブログ」もブロガーよりアフィリエイターの方からの知名度が高いのではないかと思う。

アフィリエイトの最前線に立つ彼だからこそ、本書の情報密度は非常に濃い。250ページ超あるなかで、これでもかというくらいにブログ運営のネタを散りばめている。初心者向けの情報も多いが、上級者でも唸ってしまうようなネタもある。

例えば本書のp.141では「自分のブログ記事に一つ目のはてブがついたらIFTTTで通知が行くようにしておき、通知が来たら即座に二つ目のはてブをセルクマする。(そうすればホッテントリ掲載の確率を高められる)」といったハックが紹介されている。

もちろん、やり過ぎるとはてな運営からスパム判定される可能性があることについてもちゃんと触れられている。

これを読んだとき僕は(人気ブログにするためにここまでやるのか……)とドン引き感心してしまった。

本書ではこの他にも、人気ブログを運営するための具体的なノウハウがこれでもか!というくらい紹介されている。ブロガーを目指す人にとって役に立つかどうかと問われたら、そりゃもう圧倒的に役に立つでしょう。情報密度が他の本とは一線を画します。

マネタイズは後回し! まずは信頼を獲得せよ!」が筆者の基本理念であり、そのあたりは僕としても大いに共感する。ブロガーの教科書的なものをお探しの方には、本書をおすすめしたい。

「人気になる」は目的ではなくて結果なのではないか

筆者は「最初からお金を目標にすると良いブログにならない。マネタイズは結果としてやってくるものである」といった趣旨の話を本書(p.16~17)でしている。

僕も同じ考えだ。マネタイズしか頭にないと(病気で苦しむ人に怪しいサプリメントを売りつけるみたいな)読者に対して不誠実なコンテンツに手を染めてしまう。

ブログの収益化はなんだかんだいって、バイトで稼ぐよりは難しい。金儲けのためにブロガーになるという構造には、どこか歪みが生じる。

同じように「人気者になること」も結果として得られるならともかく、最初から目的にするとおかしくなる。人間は簡単に承認欲求の虜になってしまう。他人事のように語っている僕自身も何だかんだ言って、承認欲求を制御できずに暴走することがある。

 前回の記事の繰り返しとなってしまって恐縮だが、ブログ運営において重要なのは次の3つの要素だ。

  1. わーい!
  2. すっごーい!
  3. たーのしー!

※アニメ『けものフレンズ』より

すなわち、

  1. 自分の喜びを相手に伝えようとする気持ち
  2. 自分の驚きを相手に伝えようとする気持ち
  3. 書くことを楽しむこと

この3つを大切にして、ブログを運営していきたい。

筆者も本書のなかで次のように主張する。

ブログを利用すると、「自分が大好きなことをする」と「他人のためにしてあげる」、つまり「自分が好きなことを他人のために頑張る」ことによる成果を、多くの人に届けられます。

【引用 『ゼロから学べる ブログ運営×集客×マネタイズ 人気ブロガー養成講座』菅家伸(かん吉) p.17】

本書はあとの方になるほどソーシャルメディアによる集客だとか、バズらせる戦略だとか、フォロワーの増やし方だとか、あるいは効果的な自己ブランディングだとか、人気ブログを育てるためのノウハウ紹介にページを割いている。

しかし重要なのは上記に引用した最初の部分で、まず第一に「自分が大好きなことをする」のが最も大切だと思う。

自分が心の底から好きなことをしているからこそ、その喜びや感動を読者にも伝えようとする気持ちが生まれる。「伝えたい」という感情を枯らすことなく持ち続けることが、ブロガーには必要なのだ

タイトルにも書いたとおり、承認欲求に囚われずに読めば、本書は良書となるだろう。

筆者は『人気ブログを作る決意を持ちましょう!』と激励するが、僕個人としては、決意よりも『自分の楽しいと思う気持ち』を大切にしてほしい。

「俺は何としてでも人気ブロガーになってやるぜ!」と気負うのではなく、「楽しくブログを運営したいけど、せっかくならたくさんの人に記事を読んでほしいよね!」くらいのスタンスで本書を読みたい。

(終わり)

プロブロガーになるために就活をやめた大学生は愚か者なのか

五条ダンの日記

「プロブロガーになるために就活やめます!」と高らかに宣言するブログ記事が、はてなブックマークで炎上しコメント欄で袋叩きにされる。はてな界の恒例行事であり、またか、と思わないわけではないのだけれど、胸が痛い。

とくに「新卒切符を投げ捨てるなんてもったいない!!」といった類いのコメントは、心にグサグサと突き刺さる。

僕は、新卒切符を投げ捨てた側の人間ではない。正反対で、新卒切符を大切に握りしめて就活というレールに喜んで乗っていった人間なのだ。

大学三年の十二月には就職活動を始め、そして卒業する大学四年の三月まで就活を続けたが、内定が得られなかった。大手志向ではない。中小企業をメインで受けていたし、ハロワにも足繁く通った。電車を三時間乗り継いで、山奥の農家にまで面接に行った。

新卒カードよりもさらにレアカードである、社長や人事部長のコネも使った。政府がやっている新卒者就職応援プロジェクトにも参加した。バイトからの正社員登用も目指した。

大学卒業後も、二年間は就職活動を続けた。正社員になりたかったし、僕の周りの人間もそれを望んでいた。

そして内定は得られなかった。

就活は全滅した。

自分自身を大いに責めたし、就活自殺は本気で考えた。ただ僕の場合は(せめて死ぬ前に)この負の感情を物語に昇華させて、何本か小説を書き上げたいという気持ちが上回った。現実逃避のための創作といえど、空想が現実を救うことだってある。

現在、僕はWebライティングやブログやアフィリエイトや電子書籍で細々と収益を得て、何とか生計を立てている。

「どうして五条さんはWebライターになったんですか」と聞かれて正直に答えるならば「就活で失敗したからですね」と苦笑いするしかない。(というかリアルでもそう答えている)

正社員と比べると、もちろん不安定な生き方だ。未来が見えない。

来月あたりに国民年金が一年前納で引き落とされるし、国民健康保険も払わなきゃだし、健康診断も自腹だし、有給もボーナスもないしで、本当にきつい。

それでも何とか生きている。

きっと何者にもなれない自分の、精一杯の生存戦略。

ひとつの運命として、受け入れるしかなく。

自分の生き方を肯定できるのは自分だけしかいないのだから、受け入れて、前に進んでいかなければならない。大きな愛と大きな軽蔑を胸に抱えて、生を肯定せよ。

結局のところ、プロブロガーになるために就活をやめた大学生が愚か者なのかどうか、僕にはわからない。きっと誰にもわからない。

タロットカードの愚者(THE FOOL)は行く先に広がる無限の可能性を示すカードである。正位置ならば勇気を後押しする意味を持ち、逆位置ならば軽率さを諫める意味を持つ。

くるくると回る羅針盤を片手に、僕らは答えのない道を歩むしかないのだ。

(了)

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