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Webライターとして生きる

五条ダンのブログ。「楽しく書く」ための実践的方法論を研究する。

プロブロガーになるために就活をやめた大学生は愚か者なのか

「プロブロガーになるために就活やめます!」と高らかに宣言するブログ記事が、はてなブックマークで炎上しコメント欄で袋叩きにされる。はてな界の恒例行事であり、またか、と思わないわけではないのだけれど、胸が痛い。

とくに「新卒切符を投げ捨てるなんてもったいない!!」といった類いのコメントは、心にグサグサと突き刺さる。

僕は、新卒切符を投げ捨てた側の人間ではない。正反対で、新卒切符を大切に握りしめて就活というレールに喜んで乗っていった人間なのだ。

大学三年の十二月には就職活動を始め、そして卒業する大学四年の三月まで就活を続けたが、内定が得られなかった。大手志向ではない。中小企業をメインで受けていたし、ハロワにも足繁く通った。電車を三時間乗り継いで、山奥の農家にまで面接に行った。

新卒カードよりもさらにレアカードである、社長や人事部長のコネも使った。政府がやっている新卒者就職応援プロジェクトにも参加した。バイトからの正社員登用も目指した。

大学卒業後も、二年間は就職活動を続けた。正社員になりたかったし、僕の周りの人間もそれを望んでいた。

そして内定は得られなかった。

就活は全滅した。

自分自身を大いに責めたし、就活自殺は本気で考えた。ただ僕の場合は(せめて死ぬ前に)この負の感情を物語に昇華させて、何本か小説を書き上げたいという気持ちが上回った。現実逃避のための創作といえど、空想が現実を救うことだってある。

現在、僕はWebライティングやブログやアフィリエイトや電子書籍で細々と収益を得て、何とか生計を立てている。

「どうして五条さんはWebライターになったんですか」と聞かれて正直に答えるならば「就活で失敗したからですね」と苦笑いするしかない。(というかリアルでもそう答えている)

正社員と比べると、もちろん不安定な生き方だ。未来が見えない。

来月あたりに国民年金が一年前納で引き落とされるし、国民健康保険も払わなきゃだし、健康診断も自腹だし、有給もボーナスもないしで、本当にきつい。

それでも何とか生きている。

きっと何者にもなれない自分の、精一杯の生存戦略。

ひとつの運命として、受け入れるしかなく。

自分の生き方を肯定できるのは自分だけしかいないのだから、受け入れて、前に進んでいかなければならない。大きな愛と大きな軽蔑を胸に抱えて、生を肯定せよ。

結局のところ、プロブロガーになるために就活をやめた大学生が愚か者なのかどうか、僕にはわからない。きっと誰にもわからない。

タロットカードの愚者(THE FOOL)は行く先に広がる無限の可能性を示すカードである。正位置ならば勇気を後押しする意味を持ち、逆位置ならば軽率さを諫める意味を持つ。

くるくると回る羅針盤を片手に、僕らは答えのない道を歩むしかないのだ。

(了)

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