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五条ダンのブログ。「楽しく書く」ための実践的方法論を研究する。

【ポートフォリオ公開】米国株ETF「QQQ」や「HDV」を保有して得る心理的効用について

ボクにはひとつの投資哲学があって、これは小説を書くときのテーマでもあるのだが「未来は分からない」繰り返そう、《未来は分からない》を個人的に信仰している。換言すれば、未来の不確実性に希望を見いだしている。

余談。ギリシア神話における「パンドラの箱」に残された最後の災厄は《予知》である。人類は予知能力を手にすることがなかったからこそ、災禍に荒れるセカイのなかでも生きる希望を捨てなかった。

未来が分からないのは、素晴らしい。ワクワクする。

未来が分からない前提において投資方針に優劣はない

今この文章を読んでいる読者さんでも、投資方針は十人十色だと思う。

  • 国内外の株式・債券・不動産・ゴールドに均等分散投資をする人
  • VT(Vanguard Total World Stock ETF)で世界経済の発展に賭ける人
  • VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)で米国市場の発展に賭ける人
  • AMZN(アマゾン)に全力投資の人
  • 仮想通貨XRP(リップル)に全力投資の人
  • CFDで米国VIのショート戦略を取っている人

未来が不確実である前提において、何に投資するのが最善であるかは、そのときになってみないと分からない。

ただひとつだけ言えるのは、あなたが自分の意思によって決めたその投資対象は、あなたを《幸せな気持ち》にさせるべく選ばれたということだ。

「心の会計」は人間の経済的不合理性を指すときに使われる言葉だけれども、案外「心が幸せになること」は侮れない。ボクは、自身の心理的効用を最大化させるべくポートフォリオを組んでいる。

異端の米国株ETFポートフォリオを公開

昨年からはこんな感じのポートフォリオで資産運用している。

QQQ(インベスコ QQQ トラスト シリーズ ETF)

VHT(バンガード 米国ヘルスケア セクター ETF)

XLP(生活必需品セレクトセクターSPDRファンド)

VYM(バンガード 米国高配当株式ETF)

HDV(iシェアーズ コア 米国高配当株 ETF)

※各20%ずつ保有

このポートフォリオの意図をひとことで言うならば、

「情報技術セクター・ヘルスケアセクター・生活必需品セクター・高配当株・Google & Amazon が長期的に見てS&P500(米国市場平均)をアウトパフォームするだろう」

とボクが勝手に思い込んで組み上げたものである。

ただ正直なところ分散させ過ぎたなと思っており、もっとシンプルにQQQ(情報技術)・VHT(ヘルスケア)・XLP(生活必需品)で3セクター均等分散させた方が良かったかもしれない。分散させればさせるほど結局は市場平均に近づいてしまい、面白みに欠ける。 

5銘柄を選んだ理由

QQQ、VHT、XLP、VYM、HDVの5銘柄を選んだ理由について、下記に簡単に記しておきたい。

ちなみに「5つのETF」に絞った理由は、ボクが《五条ダン》というペンネームで活動しており、純粋に資産を《五つ》に分けて運用するのが心理的に気持ち良かったからである。じつに馬鹿げた理由だ。

QQQ(情報技術+α)

QQQは「情報技術セクター」に投資がしたくて組み入れた。

VGT( バンガード・米国情報技術セクターETF)の方を選ばなかったのは、ボクが iPhone よりも Android 派であり、Mac よりも Windows 派であり、Safari よりも Chrome 派であり、つまるところAppleよりもGoogleの方が好きだからである。じつにしょうもない理由だ。

(注釈)

VGTはかつてアルファベット(Google)とフェイスブックが上位構成銘柄であったが、この2大企業は2018年のMSCIセクター変更で「コミュニケーション・サービス・セクター」に移されてしまう。つまりVGTの投資対象からは外れ、代わりにアップル(AAPL)の割合が20%近くに上昇することが見込まれている。(記事執筆時点では18.16%)

ついでに、QQQに含まれるAmazon社が世界を掌握する可能性にも賭けている。

VHT(ヘルスケア)

こんなことを言ったら笑われるだろうが、「不老不死の薬」を完成させる夢に賭けている。VHTで投資できる約360社のうちのどれかひとつが、もしもワンチャン不老不死薬の開発に成功したならば、世界中の富を(ほしいまま)にだってできるだろう。

さすがに不老不死は言い過ぎだとしても、ゲノム医療・遺伝子治療・再生医療といった最先端の医学が切り拓く未来の可能性を信じたい。

 

HDV(高配当)

HDVは売買回転率が高く構成銘柄をコロコロ入れ替える異色のETF。とてもユニークで面白い。S&P500を上回る未来はイメージできないけれども、一方で金融恐慌時には鉄壁のディフェンスを見せてくれそう。市場暴落時のHDVの動きをぜひ間近で見てみたい。

下げ相場のときにHDVを持っていたらワクワクしそう!といった、じつに子供じみた発想で組み入れた。

こんな調子で続くので、XLPとVYMについては割愛したい。

プーさんの風船と米国株ETFとではどちらに価値があるか

今回こんな記事を書いたのは、自分の銘柄選定の正しさや優位性を証明したいからではない(むしろ正反対)。ボクがいかに非合理的に、自分の感情を優先させて銘柄を選んだかを知ってほしかったからだ。

前置きが長かった。

そろそろ本題に入ろう。

 

 

 

 

 

現在上映中の『プーと大人になった僕』を観てきた。

 

とても良かった。

 

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ネタバレはしないがどのくらい良かったかと言うと、見終わった直後にウォルト・ディズニー(DIS)の株を個別で買ってやろうかと思ったほどである。

それで映画を観ながらずっと考えていたのは、プーさんの持っているただの赤い風船と、ボクが持っている米国株ETFとではどちらの価値が高いのだろうということだ。

僕らは投資対象を選ぶとき、それがどれだけの経済的リターンをもたらすかで価値を判断している。

しかしここで見過ごされるのが「時間的損失」と「心理的効用」の2つの存在である。

例えばボクが日本株の信用取引でデイトレードをしていた頃、それなりに儲かっていた(時期もあった……)が、朝から昼までチャートに釘付けになっていなければならなかったし、それによる時間的損失は計り知れない。そして二度と戻ってこない。

仮想通貨投資をしていた頃もやはり結構儲かっていた(時期もあった……)が、1日に10回以上はビットコインの値動きをチェックしていなければ、不安で仕方がなく仕事に集中することもできなかった。

米国株ETFに投資し始めてからは「長期投資に債券は不要なのか」「新興国株は逆張りチャンスなのか」「優先株式とはなんぞや」みたいな情報をネットサーフィンするのでついつい夜更かししてしまい、寝不足の日が続いた。

いずれも失ったものは時間であり、おそらくはその時間で勉強なり読書なりお絵描きなりしていた方が遥かに有意義であった。

※もちろんデイトレードやビットコインをホールドするのが自分にとって楽しい時間であるならば全然構わない。

 

プーさんの風船には素晴らしい利点があって、それは風船を持っているだけで幸せで、楽しい気分になれることだ。

1000万円分の金融商品を持ってソワソワしたりイライラしたりするよりも、100円の風船を手にして楽しく遊んでいる方が心理的効用はずっと高い。

だからボクは、たとえ含み損になってもワクワクして持っていられるかどうかで、銘柄を選んでいる。銘柄紹介時に「気持ち良い・好き・夢がある・面白い」といった感情語句が頻出したのはそのため。

(※本当に含み損でワクワクしていられるかはその時になってみないと分からないが)

これは特別なことでも変わったことでもない。投資家は誰しも多かれ少なかれ、無意識的に投資対象を決めているのかもしれない。

自分の心理的効用を最大化させるべく。

幸せになれる風船を探して――。

 

以上、プーさんの映画良かったよ!というお話でした。

(了)


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